「健康」の反対は「病気」と思いがちですが、その中間、「不健康」というのもあるかもしれません。病院に行くまでではないし、薬を飲むほどでもないし、だいいち、特にどこが悪いのかはっきりとは言えない、そんな状態が「不健康」。ちょっと歩いただけで息切れがする、とか、手足が常に冷たい、とか。声の音量で言ったら、ひとり言のような感じ。誰かに聞こえているかもしれないし、聞こえていないかもしれない。たいした意味はないから、言った本人もすぐに忘れちゃうし、無視されたってその時は別に構わない。そんな程度の症状でしょうか。調子を崩す、という意味合いで「失調」と呼ぶ場合もあるようです。
そもそも健康ってどういうこと?
2000年以上前に、アリストテレスが言った言葉に
「生命とは必要なものを摂って、不必要なものが出せること」
があるそうです。
人間も動物も植物も、生命維持のために摂取と排出(排泄)を繰り返しています。私たち人間に限定すると、(大抵の人は)口から食物を摂取し、体内で必要なものが吸収され、そして、不必要なものが体外へ排泄されます。また、酸素を吸って、体外へ二酸化炭素を吐き出します。この活動は、
循環や
代謝と呼ばれて、体の微々細部に渡って常に行われていることです。この循環や代謝が、60兆個の細胞の間で
スムーズに行われていること、これが健康ということではないでしょうか。
もちろん、「自分は今ちょっと頭が痛くて、60兆個の細胞のうち、約1兆個の細胞の循環が最高にスムーズに流れている時に比べれば、多少滞っているんだけれど、それでもまあとりあえず健康だといえるぞ」と思えば、もちろんそれはそれで健康な状態と思ってもいいわけですよ(笑)。