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CLINICAL REFLEXOLOGISTへのSTEPS!

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麻痺とリフレクソロジー

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FBにて麻痺を抱える女性ナディーンさんの施術の報告をビデオを交えて最近公開しているケヴィン・クンツ氏。

Kevin Kunz: Sunday, Wednesday and Friday was all I worked on her. Barbara worked on her for 2 sessions. She had been paralyzed on her left side for 3 weeks prior to us starting to work on her. We didn't work more than 45 minutes.
07 December at 00:26

日曜日、水曜日、金曜日の三回、それぞれ45分内の施術。バーバラ(奥様)が2回担当。左側がリフレクソロジーを始める前に3週間麻痺して動かなかったそうです。

Source : Facebook Kevin Kunz's page

だいぶ前ですが彼の研究のレポートのページ、再読して訳(毎度毎度すみませんが、簡約です。読みづらくて申し訳ない・汗)しました。長いので二部(か三部)構成でアップしたいと思います。

麻痺とリフレクソロジー_f0011208_045431.gif

リフレクソロジーはどのような仕組みで身体に影響を与えるのでしょうか?私たちが初めてこの疑問を挙げたのは1981年のことです。麻痺の研究をしていて分かったことは、リフレクソロジーの価値あるところは、足へ圧を加えるということです。この圧が身体に備わっている自律と体性の制御の応答を引き出しているのです。自律と体性の統一、つまり内臓と感覚のインプットの調和というのは、生き残るために必要な基本のメカニズムなのです。(参考:http://physiology1.org/doc/chapter.php?Id=231)例えば、人が車の下敷きになって危急存亡である状態の時に車を持ち上げられるのは、自律神経のシステムによってアドレナリンが注がれ、体(感覚)システムへ実際の行動を促すように指示をしています。もっと日常的平凡な例であってもこの連携は威力を発揮します。リフレクソロジーの研究で麻痺のケースに取り組んでいると、はじめて「通常」の神経系の抑制を受けずにこれらの連携を観ることができるという利点があるのです。

私たちの麻痺の研究は終わりがありません。この研究によって足がどのように機能するのか洞察が深まり、またどのように足へアプローチをしたら良いのかより理解が深まるのです。

1981年7月19日からのレポート
Jは28歳であり四肢麻痺で3年前の事故によりC3,C5、C6を損傷。施術は1980年2月12日に開始しそれ以来手と足へ圧を加え続けています。

Aは24歳の対麻痺を抱えていて5年前の事故によりT2,T3,T4を損傷。施術は1980年11月19日に開始。同様に手足へ施術を行っています。

Kは14歳で対麻痺で四年前の事故によりT10を損傷。1980年11月7日に施術を開始。またFeldenkraisセラピーも3年間続けています。

Jは少しずつ感覚を取り戻しており、痛み、熱、冷たさ、軽い接触、そして深い圧を感じることができるようになりました。この機能は身体のあちこちで起こっているようでどうやらデルマトームからデルマトームへと飛んでいるようなのです。最初にJが感じたのは足からふくらはぎを走る焼け付くような激しい痛みでした。Jの表現によると煉瓦を足に落とされたような感覚だったそうです。やがてその痛みの感覚は痺れに変わりそして深い骨の痛みに変わりました。そのうちにその痛みが足へ施術することで始まるようになり、痛みが残るために施術を和らげて欲しいと訴えるまでになりました。1980年7月のそれ以来、施術の時間と圧の強さは一定ではなくなりました。痛みの感覚は、局地的な痛みが離散した形に変化していきました。
Jは満腹感を感じることができるようになり、さらには尿意を催す感覚も感じることができるようになりました。Jは1980年の秋に車内のヒーターの側に脚を置いた時に熱を感じることができると言いました。それだけでなく、Jの運動能力も徐々に取り戻していました。上肢の動きと手首の位置の調節や制御は最も目を見張るものでした。先週には、補助器具の横板(?)を使うことなく車椅子からベットへ初めて自分で移動することができたのです。動きをコントロールできる指もいくつかあります。また身体全体のイメージも感覚として持っていると言います。

最も興味深い進展は左足へ圧を加えた時のJの体の反応です。この圧が右手の指の引き攣りの反応を促すのです。この現象は時間が経つにつれて治まっていきました。
Kは手足の間の交差反応を見せました。手のある区間へ圧を加えると足の指と足全体へ引き攣りを起こしたのです。繰り返し同じように起こるのではなく、不特定に起こりました。Kは手の特定のポイントに圧を加えると足の特定の箇所に感覚が生じると教えてくれました。それぞれの手には圧を加えるとその感覚が生じる二つのポイントがありました。

J,A,Kのそれぞれのケースで足の特定のポイントに圧を加えると手の指の特定の組み合わせで引き攣りが起こるのです。17ヶ月間施術していてこのような交差反応は少しずつ薄れていきました

対麻痺を抱える方への施術でも似たような交差反応のパターンが見られました。どちらの対麻痺のケースでも始めは足へ加えられる圧の反応で足首から上への引き攣りが起こりました。施術が3カ月に達する頃にはこの引き攣りが系統だてて起こることがはっきりしました。6ヶ月に達する頃には、KもAも足へ加えられる圧へ、同じ系統に従って引き攣りが起こりました。圧を受けている足が背屈するように、また受けていない足が底屈するように痙攣したのです。足が外側へ倒れている場合にはゆっくりと内側へ足をまわしてから、逆に足が内側へ倒れている場合にはゆっくりと外側へ足を回してから、この系統だった筋肉の痙攣の反応が見られました。足自体が勝手に位置を整えているようでした。背屈・底屈の一通りのサイクルの間、答えるように腰が浮き、足の指がリズミカルに波を打ちます。8ヶ月半の施術の後、このような交差反応は全く無くなりました。

*「引き攣り」「痙攣」は英語ではspasmと言って、筋肉の収縮のことを示します。分かりやすく言えば、ピクピクと動くこと、ぎゅっと縮まることでしょうか。

*「交差反応」と勝手に訳しましたが、crossoverとケヴィンは言っています。

Source : Reflexology Research "Paralysis Report" by Barbar and Kevin Kunz
by reflexologist_mo | 2010-12-14 00:59 | ◆ケーススタディー
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