リフレクソロジーでは、科学的に証明はされていませんが、手や足に圧を与えることによってある特定の神経線維を通ってその信号は伝えられ、その神経がうまく伝えることができると、痛みの信号を伝える神経線維を閉じてしまいます。痛みの信号は細く素早いもので、圧(例えばリフレクソロジーで与えるような圧)の信号は、ゆっくりしていて膨大な量で、絶縁体のように作用すると言います。
と
以前の記事で書きました。その追記です。
末梢神経が痛覚を脊髄へ伝える主な神経線維の中には、主に二通りのものがあると考えられています。
①A-delta神経線維・・・初期もしくは突き刺すような痛みを秒速4~44メートルで伝える
②C神経線維・・・遅い刺激、もしくはずきずきするような痛みを秒速0.5~1メートルで伝える
これらの二つの繊維が受け取った電気信号を送るために、脊髄の神経ゲートを開けて信号を通しているわけです。
例えば、ひじをぶつけたときに打ち所が悪いと、打った瞬間鋭い痛みが走り、続いてしばらく体を前かがみにしないと言葉も発せないほどのじーん・・という痛みが走る経験があると思います。それは、最初に①A-deltaが秒速4~44メートルという速さで脳に到達し、続いて②C繊維がずきずき感をのんびりと脳に伝えているからなのです。
そして、このひじを打ったときに痛くて、思わず反対の手でひじを押さえますね。押さえたりさすったりすることで痛みが軽減しているような気になりますが、これも実は別の神経線維が電気信号を送っているからなのです。この繊維は、A-betaと呼ばれ、圧や手触りのようなマッサージの信号を秒速93~103メートルの速さで伝えています。
上記の繊維では一番スピードが速く、先に出発したA-deltatと C を追い越し、脳に到達するのです。そして痛みの信号を減らし、そして実際に感じる痛みも軽減されるのです。
参考資料:
The Psychological Management of Chronic Pain by William W. Deardorff, Ph.D., ABPP
http://www.continuingedcourses.net/active/courses/course016.php
この理論でリフレクソロジーがなぜ痛みを軽減するのに効果があるのか、すべてが明かされたわけではありませんが、なるほどと思える理論のひとつです。痛みで苦しんでいるとき、気分が悪いとき、自然になぜか「手当て」の効果により触ったり、さすったりしますが、こういう背景があるようです。